歴史と本マニアのための部屋

歴史、政治、本、あと吹奏楽関連のつぶやきです

香川県中讃地域の、独断と偏見によるうどん店解説(2024年現在)

 

目次:クリックで各項目へ飛べます

 

 

前書き

突発的に思いつきで書く。

20年前くらいからずっと趣味でうどん屋を回ってるが、最近リニューアルしたり新しく増えた店も老舗になりつつあったりするので、自分の記憶をアップデートする意味も兼ねて、情報を整理してみた。

(好きな店全部書いたら長くなったので、目次から好きな所へ飛んでください)

香川県うどん屋について、件数がコンビニより多いと言われてるが人口100万人を切るなか、700件(もっと少ないかもしれないが)くらいあるらしいので多いことに変わりはない。

 

そのなかでおいしいうどん屋さんが集まってるのはこの赤マルの範囲内。

要するに綾川、土器川、金倉川流域とその扇状地

扇状地なので水はけがよすぎてコメが育たず、小麦の生育に向いていたのと、瀬戸内海沿岸でとれる塩と大豆から作られる醤油の産地だったのと、あとイリコ(イワシの稚魚)からダシがとれたこと。

※正確には醤油蔵は県内全域にあり特に小豆島に多い。

※イリコは観音寺市の西にある燧灘に浮かぶ伊吹島で一括して水揚げから加工されたものが最も上質。

 

 

市町村でいえば南からまんのう町、琴平町綾川町善通寺市丸亀市多度津町坂出市、宇多津町(と高松市西端の国分寺町)がうまいうどん屋エリア。

つまり西の三豊市観音寺市、東の高松市より以東には、古来よりうまいうどん屋はない(例外はある)。

 

 

高価格帯の店ーー県外民をご案内するとき。つまり注文を取りに来てくれる一般店。

 

おか泉ーー(宇多津町)地図の中の赤マル

待ち時間:外に屋根がないので熱中症注意。行列が店に入るまでに最低30分~1時間以上~、席に着いてからも少々待つ

本格手打うどん おか泉 (おかせん) - 宇多津/うどん | 食べログ

人気は、ひや天おろし(冷) 972円(登録商標)。ぶっかけうどんに揚げたてのエビ天2尾と野菜天が乗ってくる。てんぷらは注文が入ってから揚げてくれる。ダシは自分でかけるスタイル。

てんぷらも絶品ですが、他のメニューもすべて外れなし。

ダシも最高、サービスも文句なし、注文してからの待ち時間は長いですがお客さんひとりにかける気配りを見れば納得。

それより1にも2にもうどんのコシがすばらしい。透き通るような麺は打ち立てゆでたての証。常に行列で作り置きの麺がないから。硬くなくグミみたいな伸び。きりっと麺の角にエッジが立つ。

店の前には2~3台の駐車枠しかない。店の裏に計35台ぶんの駐車場あり。

 

釜あげうどん 長田 in 香の香ーー(善通寺市)緑マル

待ち時間:店の外まで常に行列がのびるが意外と時間はかからない。屋根がないので日傘や冷たい飲み物を持参など熱中症対策必須

釜あげうどん 長田 in 香の香 (ながた いん かのか) - 金蔵寺/うどん | 食べログ

釜あげ専門店として東のわら家、西の長田といわれ長年親しまれてきた。

(まんのう町にも長田があるがここで書くのは長田in香の香のほう。こっちが本家の味を受け継いでいる。)

釜揚げうどんのほかに例外として冷やしうどん(冷水にうどんが入っててつけダシで食べる)があるくらい。ほかには赤飯、炊き込みタコ飯、いなり寿司とかのオプションのみ。定番のおでんすらない潔さ。

つけダシは机の上のでっかい砥部焼の徳利に入ってる。熱いので火傷注意。イリコほかカツオや昆布の合わせダシ(秘伝の配合)。このダシがおいしすぎてダシにネギ入れて飲んではおかわりする人が続出し、コストがかかりすぎるため今は一人一杯のみ(当たり前)。まじでダシがおいしい。これだけでお酒飲める(飲まないけど)。

看板の釜揚げうどんがおいしいのはいうまでもない。うどんの丼とつけだし入れも砥部焼の特注品。釜揚げつまりゆで上げてから水で締めずに丼でゆで汁に漬かったま提供されるため秒で麺がのびるため光速で食べなければならない。おいしいのでそんなに時間を気にすることなく丼は空になるだろう。

3~4人以上なら、たらいに人数分のうどんが入ってくるたらいうどんで食べると楽しい。

駐車場は広いがたまに満車になることもある。

 

上記2店は伝説的名店、誰が食べても例外なくおいしい。

 

そのほかにも注文を取りに来てくれる(またはセルフではない)店はいくつかある。

ジャンボうどん 高木ーー(善通寺

ジャンボうどん 高木 (元祖ジャンボうどん) - 金蔵寺/うどん | 食べログ

おまけなので地図中に印をつけてない。長田in香の香の近く。ここも釜揚げうどん専門。駐車場が狭いのでお昼に行くと高度な駐車技術を要求される(縦列駐車的な)。

昔からある個人店だけど変わらず人気。オプションとしておでんもある。タイミングを外すと釜揚げではなくゆで麺をあたためなおして提供することもある。

 

いけこうどんーー(多度津町)ピンク

いけこうどん (IKEKO UDON) - 多度津/うどん | 食べログ

人気は鴨肉が載ってるメニュー。季節限定メニューも頻繁に登場しておもしろい。

トッピングのてんぷらは早くになくなるので注意。オプションメニューもそれほど多いわけではない。

 

灸まんうどんーー(琴平町)青

灸まんうどん (きゅうまんうどん) - 琴電琴平/うどん | 食べログ

ここは善通寺インターからこんぴらさんへの道中にあり、観光客でにぎわってるが観光客向けのため自分は入ったことはない。なのでメニューとかサービスは知らないが常に一定数のお客さんが入ってるのでそれなりにおいしいと仮定して載せてみる。

 

 

おまけーー中讃以外(観音寺、高松)の高級店

かなくま餅

かなくま餅 - 本山/うどん | 食べログ

本場かなくま餅 福田

本場かなくま餅 福田 - 本山/うどん | 食べログ

※このふたつのかなくま餅といううどん屋は、店名は一緒だが全くの別の店。餅、和菓子屋さんだけどうどん店。なんでここに載せたかというと、あんもちうどんで有名だから。冬行くとしっぽくもあっておいしい。上の(11号線沿いの)かなくま餅の店は今の形態になったのが50年以上前、古くは四国遍路さんの休憩茶屋として明治時代に創業したらしい。

 

わら家

ざいごうどん 本家 わら家 (わらや) - 琴電屋島/うどん | 食べログ

西の長田に対して東のわら家の異名をとる釜揚げ専門店。高松市東部は屋島にある四国村(建築系の野外民俗博物館)の敷地内にある古民家風の店。ダシがおいしくてネギ入れてそのまま飲み干したくなるのは長田といっしょ。

山田家

うどん本陣 山田家 讃岐本店 (やまだや) - 八栗/うどん | 食べログ

郷屋敷

郷屋敷 (ごうやしき) - 大町(高松)/うどん/ネット予約可 | 食べログ

山田家と郷屋敷は昔の庄屋の建物とかを利用した店で高級店。郷屋敷の建物は登録有形文化財。うどん懐石のメニューがある。ふつうのセットメニューも高額。山田家のほうは多少カジュアルな店構えでお値段も比較的てごろ。歴史あるお座敷で奥ゆかしい雰囲気とともに楽しむうどん。

 

セルフの人気チェーン店2社+1店

おか泉と同じ宇多津町内の店を貼ってみる。高級店と客層が全く違うので共存してる感じ。チェーン店なのでどこでもいつでも同じ味、同じサービス、早朝からやってたりして使い勝手がよい。絶対にはずさない安心感。うまい早い安い、行列しててもあまり待たない。

どっちのチェーンも、いつ行っても店員さんが全員で元気よく声掛け、挨拶してくださって活気がある。てんぷらもたくさん並んでてほかのオプションも豊富。おでんもある。

こがね製麺所 朝7:00~

例:こがね製麺所 宇多津店 - 宇多津/うどん | 食べログ

 

こだわり麺や 朝6:30か7:00ごろ~

例:こだわり麺や 丸亀田村店 - 讃岐塩屋/うどん | 食べログ

 

めりけんや 朝9:00~

中讃地区には宇多津町の瀬戸大橋の手前に一か所。あと県内には高松だけ(ほかは首都圏とか)。

めりけんや かけはし店 - 宇多津/うどん | 食べログ

JRグループが経営してる、線路の高架下(宇多津だけ)とか駅ビルとかにある店。これだけ見れば観光客向けの味で無駄に値段が高いだけの店と思われがちだけど、食べてみればわかる麺のコシ。おいしい。値段もそれなりに抑えられてる。

 

 

個人経営のセルフ店=大衆食堂的な店

いちばん数が多いので地域別にMAP表示してみた。地元民が普段つかう店。番号に意味はない。価格はそこそこ中程度。高くも安くもない。

★★warning★★

個人経営のセルフ店と、製麺所に共通する注意点

・13時を過ぎたらいつ麺がなくなっても文句はいわない、麺がなくなったらそこで閉店。何時に閉まるかははっきりしないしわからない。13時以降に行って閉まってたら黙って次の店を探すこと。そして実質12時半以降に行ってうどんのコシが伸びてても文句はいえない。なぜなら売り切れたら終わりのセルフ店でお昼を過ぎて新しくうどんをゆでたりしないから。12時半を過ぎて残ってる麺は往々にしてお昼前にゆでておいたうどんであり、それが伸びてても当然。なぜなら茹で麺の賞味期限は2時間だから。コシがある麺を食べたければ、できれば12時までいくべし。いや?12時半を過ぎてコシがあるうどんが出てきたらそれはそれでラッキーだが。

・経営時間も店によって千差万別、あらかじめしっかり調べていくこと。しかも時々変わっていることもある。行く店を決めたら最新情報はネットとか(あれば)公式サイトで調べてから行くとなお良し。

・ここで自分がおいしいと書いてるのはうどんの麺のこと。ダシについては触れないしそこはメインではない。うどん屋の味を左右するのは麺(個人経営の店の場合は)。ダシについては店によって個体差がありすぎるしダシを売りにしてない店も多く不明な部分がほとんどなのでスルーする。

・最近、物価上昇の影響か、うどんひと玉が妙に小さい店が増えた。目を疑うレベルで。そのため、店に入ったらほかの食べてる人とか注文してるひとの持ってるうどんを見てみて、ひと玉が小さいようなら大とかを注文するといいかも。(中とか大とか特大の基準自体も店によって違うけど)

・オプションメニューとは=各種天ぷら、おにぎり、ばら寿し、イナリ寿司、おでん、うどんにのせるワカメ、油揚げ等が小皿に乗ってて自分で好きなのを取る。学食形式。

・トッピングとは=いわゆる薬味。セルフのときはうどんを受け取り会計後にのせる。ネギ、大根おろし、天かす、ショウガがまとめておいてあるコーナーがある。あらかじめ載せてくれてる店もある。自分でやるときは取り放題という意味だが必要以上は取らないのがマナー。

ーー注意点コーナーはここで終わりーーー

 

丸亀市

1.渡辺(あとで調べたら分類がセルフじゃなかった。すいません)

手打うどん 丸亀渡辺 (てうちうどん まるがめわたなべ) - 宇多津/うどん | 食べログ

木の葉のようなえび天が知られているが普通のうどんメニューと普通の天ぷらを勧める。店内は綺麗でうどんもおいしい。

2.つづみ 

本格手打ちうどん セルフ つづみ - 宇多津/うどん | 食べログ

自分の印象では梅肉しょうゆうどんがおいしかった記憶。ほかにも山かけしょうゆとか色々バラエティに富んでいる。

この両店は数十年間市内で営業してて歴史が長く常連も多い。移転新築後のため、建物はそこそこ綺麗。メニューも豊富でうまい。

3.讃州  朝6:45~

讃州製麺 - 宇多津/うどん | 食べログ

駐車場が、スポーツジムと共同利用なので絶対に満車にならない。ただ駐車場に出入りする道はすぐ渋滞するので注意。

お昼に行くと常に行列だが客席も多く回転が速いのでそんなには待たない。麺がいつ行ってもコシがしっかりしていておいしい。てんぷらもいつもサクサク。その他オプションも多い。取り放題のネギとかしょうがもいつも新鮮。肉うどんの肉が量が多くてボリューム満点。(肉うどんはどの店も値段が600~900円になったりするが、しょうがない)

4.丸亀の中村 朝10:00~

中村うどん (なかむらうどん) - 宇多津/うどん | 食べログ

あとで出てくる飯山町製麺所、なかむらうどんの大将の御兄弟が経営……していたが今の店主はその二代目らしい。うどんの味は変わらずおいしいがこっちは製麺所ではなく、セルフ形式の店構え。ビルの一階。カウンターのみ26席とこぢんまりした店内。

システムも独特なのでわからなかったら前に並んでるひとたちのやり方を見るといい。

5.綿谷  朝8:30~

麺処 綿谷 丸亀店 (めんどころ わたや) - 丸亀/うどん | 食べログ

客席が130と讃州よりもさらに広々とした店内。回りが早いので行列しててもすぐ座れる。店の場所は、丸亀駅北側の住宅や飲食店の合間にあってちょっとわかりにくい。

メニューの構成とか店内のしつらえは讃州とやや似てる。

 

岡じま

ナンバーを地図にポイントするのを忘れた。ここは比較的新しいけど評判はいいらしい。釜揚げうどんと店名についてるが、各種メニューが揃っている。朝6:00~開いていて、すぐ目の前と北側に広がっている埋立地の工場勤務のひとたちが朝ごはんに寄っているのかもしれない。

釜揚げうどん岡じま 丸亀店 - 讃岐塩屋/うどん | 食べログ

 

6.麺通堂 朝9:00~

麺通堂 郡家店 (時は手打ち) - 善通寺/うどん | 食べログ

シンプルな店構えとメニューのラインナップ。いつ行っても安心感があって個人的によく行く。

 

7.府中家  土日祝は朝8:00~

府中家 丸亀店 - 丸亀市その他/うどん | 食べログ

街道沿いの便利な交差点にある店。ゲーセンとかと同じ敷地内。旧ローソンの建屋を改装している。店内は広い。場所柄、仕事中の営業さんとかがササっと食べていくことが多い感じ。自分はスポ少でこどもたちを引き連れ何十人単位でよく行った。

麺通堂と同じくいつ行っても美味しく食べれる安心感。

 

8.飯野家(セルフじゃなくて一般店でした、すいません)

飯野屋 (いいのや) - 宇多津/うどん | 食べログ

ウチが小さい頃にはすでに有名店として名を売っていた老舗。昭和な感じの店構えで、席まで注文を取りに来てくれる一般店。あれ、セルフじゃなかった、すいません。飯野屋と言えば肉うどん。肉うどんといえば飯野屋。最近(昔から?)はぶっかけとかのメニューもやっているらしい。いや、昔はかけうどん、かけの肉うどんしかなかったと思う。昔ながらのうどんという感じ。

 

 

丸亀市飯山町と綾歌町、綾歌郡綾川町の付近

このへんのいわゆる土器川両岸にひろがる田んぼ地帯のうどん屋は昔から激戦区、もっと昔はこのへんは家でうどんを打っていた。うどん屋もまずい店は秒でつぶれる。よって生き残ってるのはどこもおいしい。店の外観とうどんのおいしさは比例しない。

 

1.よしや 朝7:00~

純手打うどん よしや - 丸亀市その他/うどん | 食べログ

数々のメディアにも登場した人気店。行列必至。時間に余裕をもって並ぶこと。どの店も多少並ぶけどこの店の行列は長い。

食券システム。つまり、行列に並んでる間に何を注文するかを全て決めておかなければならない。よってここに行くなら事前にネット等でメニューを把握し、何を食べるかイメージしてから行くことを勧める。店内の席も多くない(34席)ので機敏な注文が求められる(なんのこっちゃ)。

そんなややこしい設定をものともしない、うどんのおいしさ。うどんが全ての問題を解決する。オプションメニューを取るタイミングもややこしいので、列の前の人のやりかたを良く観察するべし。

 

※セルフうどん おかだ
手打ちうどん 歩

うどん おかだ - 丸亀市その他/うどん | 食べログ

歩 (あゆみ) - 宇多津/うどん | 食べログ

よしやから西へ、土器川に出るまでにこのふたつの店があってどっちもおいしい。おかだはおか泉の製麺工場に併設したリーズナブルなセルフ店、でも出てくる麺はおか泉のうどんのため並ばなくてもあのうどんが食べれるという意味でお得。グミみたいな透き通った美しい麺。でもあのフルサービスと相まってのおいしさじゃないかなあと個人的には思う。注:おかだは平日のみの営業。

歩もおいしいのだけど周りのうどん屋が個性派だらけのため、相対的に普通に見える。でもうどんは十分ハイレベル。

このふたつを地図にナンバー付けるのを忘れていたためおまけとして書く。

 

2.まえばうどん

まえばうどん (前場製麺所) - 栗熊/うどん | 食べログ

昔ながらの地域に根差したセルフ店。壁に子供さんが小学生時代?のであろうか、うどんについての自由研究を貼り出していておもしろかったが、二年前にリニューアルして撤去されてて、今風のお店になっている。かけダシは蛇口みたいなのをひねって自分でかけてたがそれも今どうやってるのかよくわからない。システムは今はふつうのセルフ店?オプションも多々あり充実。

 

3.あやうた製麺

あやうた製麺 - 岡田(高松)/うどん | 食べログ

のどかな田んぼの真ん中にある。たぶん農家の納屋を改装した店。納屋の土間を改装してイスとテーブルを置いている。

そんな店構えだけどうどんはおいしい。メニューも今風で斬新。

 

4.はゆか

本格手打うどん はゆか - 羽床/うどん | 食べログ

ここを山側に行くと山越がある。このへんは綾川流域でうどんのふるさと。綾川に水車をかけて小麦を挽いていた小屋がたくさんあった、らしい。綾川のきれいな水もうどんを打つには欠かせない。うどんに混ぜる水はもちろん、仕上がりを左右するのはゆでたあと冷やして麺を締める水。

この店はセルフ店で比較的新しい。内装もきれいで入りやすい。けどこのへんで営業できてるだけあって、例外なくうどんは素晴らしくおいしい。

麺がおいしいかどうか見るには角がきりっと立っているかどうかと、つやつやと光ってて透明感があるかどうか。あと、角が立っててコシがある麺はほどよく縮れてる。

 

善通寺琴平町、まんのう町付近

上記の飯山町と綾歌町が土器川東岸。

こっちは土器川西岸。この土器川両岸には名店が多い(当社比)。

土器川が平野部に流れ出るあたり、つまり扇状地の地形で、土器川そのものも水はけがいいので川の流れはほぼ全部伏流水で地上からは川原の石しか見えない。

こういう地形で麦がよく生育する(つまりコメはあまり育たない)ことからうどんは江戸時代ぐらいからよく作られていた、らしい。弘法大師が広めた説は眉唾物。

 

1.小懸家(すいませんたぶんセルフじゃなくて一般店です)

元祖しょうゆうどん 小縣家 (おがたや) - 羽間/うどん | 食べログ

この店がある交差点は通称まんのうトライアングルと命名されている、小懸家と柳生屋(肉うどんが名物)と、元々の長田うどんがあるため3店でトライアングル。

(※調べたら今は柳生屋はなくなってトライアングルじゃなくなってるようですね)

メニューを注文すると一人につきひとつ大根とおろし金が配られて、うどんが運ばれてくるまで大根をおろして待つ。よって看板メニューはしょうゆうどん。

うどんの麺は当然おいしい。

 

2.やましょう

やましょう - 榎井/うどん | 食べログ

温、冷、濃いのとか薄いのとか、いろんなダシを試せるというかブレンドもできる店。

麦茶みたいなジャーポットに並んでいて好きなようにかけられる。

逆に言えば初心者にはハードルが高いのかもしれない。

 

3.カントリー

カントリー - 善通寺/うどん | 食べログ

斬新な点はないけどスタンダードなセルフ店。

 

4.こんぴらや

こんぴらや 工場本店 (【旧店名】ことひら製麺 逆打ち 零番) - 羽間/うどん | 食べログ

こんぴらやというお土産向け半生麺のうどん工場に併設した、セルフ店。自分は個人的によく通っている。最近よく写真でついったらんどに投稿しているのは、ここか白川。

全体的にこぢんまりした規模の店なのだけどうどんがおいしい。あと、ネギと大根おろし、天かす、ショウガに加えてトッピングコーナーにゆず酢があって好きなだけかけれるのがポイント。暑い時期はぶっかけうどんにかけるとおいしい。冷やしのスダチうどんがメニューにある店もいいけど、自分はここのゆず酢かけるのが好き。

横にあるお土産用半生麺のうどん工場に直売所があり、直接現場でお土産うどんを買える。ただし事務所が開いてる日、平日だけ。

 

5.めん舟

国道沿いの旧コンビニの建物に入ってるうどん屋。という由来からあまり入ったことがなかったのだがフラッと立ち寄りなんとなく食べてみて、おいしかったので載せておく。うどんがおいしいのは当然で、てんぷらの種類が豊富。揚げたてサクサク。

店内も広くてゆったりと席が取ってあり快適、威勢の良い店員さんたちでいつも店内はにぎわっている。

元コンビニなので広大な駐車場で停めやすい。

 

6.三嶋

★caution★

ここは製麺所です。製麺所の中でも最も個人の家に近い、個人の家の納屋でうどん打ってる感じです。かろうじてうどん丼の持参はいりませんが食べるスペースは無いにひとしいです。うっかりセルフ店のリストの地図に入れてしまったためここに解説しますが分類上は下の「製麺所」の部類です。ご了承ください。

そもそも場所からして発見できません。見つけられませんでしたか?そうでしょうね、この店はわざと解説サイトのリンクも貼りません。見つけられたくないので。

本来の家でうどん打ってた時代の面影を残す貴重な文化遺産。こういう形態の店はもう数えるくらいしかなくなった。貴重な文化遺産なので、下のほうに挙げる「製麺所」と同様、大人数でおしかけたりせず、ひっそりと店の作業の邪魔にならないよう静かに食べて帰るように。

個人の家でうどん打ってるだけにひとしいため、いつ開店して何時に閉まるのかはっきりしない。行って開いて無ければあきらめて次の店を探すこと。

ただ上記の理由により打ち立てゆでたてのうどんにタイミングよく巡り会えれば、おいしいうどんが食べられる。同様に、タイミングを逃せばコシが伸び切ってうどんの死体と化した小麦粉の塊がでてきたりするが黙って食べるべし。そういうものだから。

※そもそも製麺所とは?

どこか(病院や学校の給食、地域の食料品店や米屋や酒屋、冠婚葬祭などで家でうどんを出すとき)へ麺を卸すために朝まとめて麺を打って全部または午前中までにゆで、ついでにお昼食べに来る人のために店の片隅へうどんを並べて置いてるだけだったりする。店で食べるのはあくまでオプション業態であり製麺所のメイン業務はあくまで麺の卸および配達。食べに行くならメイン業務の製麺作業を邪魔しないことを心がけるように。

この業態のため、近年需要が減ったのか?製麺所はなくなりつつある。昔は個人商店にはどこにもうどんが置いてあった。製麺所から卸されたうどんの麺が。駅前とか寺の門前の食堂、おもちゃ屋、米屋、酒屋、文房具屋など、地域の人が集まる場所には必ず卸されてて、お昼ご飯用にうどんをそこで買ってダシは自分の家で(イリコとかで)取っていた。

というわけで今残っている貴重な製麺所の文化は大切にしたいわけです。

 

7.白川

白川うどん (しらかわうどん) - 善通寺/うどん | 食べログ

隣にある建設会社が経営?するうどん屋。資金力があるから?か、地域の新鮮な材料を使ってるのか、てんぷらは新鮮な材料でいつでもできたて。うどんも常に打ち立て、ゆでたて。いつも釜には湯気が立っている。

最近自分がついったらんどに写真を挙げてるのはここか、こんぴらやさんが多い。アイコンに使ってる写真もここのうどん。

とにかくうどんがおいしい。きりっと角が立っている。透明で綺麗なつやのある麺。

メニューもいっぱいある。肉うどんの肉がてんこもりになってて値段も高いがそれ相応においしそう。

駐車場が建設会社の敷地の入り口と一体化してて一見よくわからない。

 

8.山下

通称、ぶっかけうどん発祥の店。昔からある一般店だったが移転新築してセルフ店に模様替えした。

噛んでも嚙み切れない、一説には茹で時間が足りないまであるコシの強さ。なので自分はここはあまり行かない。個人的には、コシがあるのに伸びがあるグミみたいな系統がすき。このリストに挙げてるのは総じてグミみたいな系統寄りで山下みたいなコシ一辺倒なところはあまり入ってない(はず)。ていうか今時ここみたいなコシ一辺倒のうどんを出す頑固な店は減った。

ここの麺のコシに挑戦したい猛者は行ってみるといい。しかしあまりにも自分は最近行っていないため、知らない間にこのコシが柔らかになってしまってる可能性もあるけど。

片側一車線の渋滞のない快適な道沿いに、田んぼの真ん中にぽつんとあるのでわかりやすい。

 

坂出市あたり

 

1.めんや七福 別邸

めんや七福 別邸 (メンヤシチフク) - 坂出/うどん | 食べログ

本店は高松らしい。カレーうどんが名物?らしいがほかにも豊富なラインナップのメニュー。インターからも比較的近く、最近できたバイパス沿いにある店でアクセスはよい。

駐車場も広く使いやすい。

 

2.(坂出の)山下 朝8:30~

山下うどん - 讃岐府中/うどん | 食べログ

★caution★

ここも形態は製麺所です。うっかりセルフの項目に並べてすいません。上記の三嶋よりは開けた場所にありますが、昔はあくまで製麺と卸が主業態だったはずです。創業昭和34年の老舗です。大切な文化財として三嶋の項に挙げた注意事項をみんなで守りましょう。

通称:郵便局集配職員休憩所。っていう看板が入り口に掲げている。昔の製麺所はどこもそうだったんじゃないかと思わせるふしがある。地域の人が集まる所にうどんがあり、また郵便局のひとや交番の駐在さんが立ち寄ったりする場所。

やっぱり大切な文化遺産だなあ。

しかしそれなりに知られてきているようなのでいちおうリンクを貼っておく。でもあいかわらず分かりにくい場所にある。はたして初見さんは発見できるのか。さすが製麺所。綾川沿いにあり、きれいな水を使うことがおいしいうどんの条件であることを思い出させてくれる。店内にはうどんを茹でる昔ながらのでっかい釜があり、しかも燃料は薪…?関係者じゃないので良く知らないけど。

こういう製麺所でタイミングよくおいしいうどんに巡り合えた時の嬉しさは筆舌に尽くしがたい。でも全て運でしかない。

 

製麺

麺を作ってる作業所でついでに常連が食べ始めた体裁の店構え。大人数で行ってはいけない。

上に挙げた三嶋と坂出の山下もここの分類。カテゴリ分けを間違えてすいません。

 

というわけで注意事項をもう一回書く。

★caution★

製麺所のため、どこもかろうじてうどん丼の持参はいりませんが食べるスペースはついでです。無いにひとしいです。

※そもそも製麺所とは?

どこか(病院や学校の給食、地域の食料品店や米屋や酒屋、冠婚葬祭などで家でうどんを出すとき)へ麺を卸すために朝まとめて麺を打って全部または午前中までにゆで、ついでにお昼食べに来る人のために店の片隅へうどんを並べて置いてるだけだったりする。店で食べるのはあくまでオプション業態であり製麺所のメイン業務はあくまで麺の卸および配達。食べに行くならメイン業務の製麺作業を邪魔しないことを心がけるように。

……なのですが、下に挙げた製麺所はどこも存在が知られてしまって行列ができている。時間の無い時はおすすめしない。

 

1.日の出製麺所 (坂出市)お昼11:30~12:30

日の出製麺所 (ひのでせいめんじょ) - 坂出/うどん | 食べログ

ここの麺はスーパーに卸してるので、地元チェーンのマルナカに行けば袋入りゆで麺が買える。なので店で食べるより安いのだが、店に食べに来る人は地元民じゃない、または店で茹でたのを食べたいひとなのだろう。

茹で麺の賞味期限は2時間であり、したがってスーパーで売ってるうどんの使い道は個人的には冬の鍋に入れる煮込み目的か、風邪ひいた時用か、要するにコシの無いうどんが欲しいときだが、日の出製麺所の袋入り麺は夜になってもコシがあっておいしいので、家でかけうどんとして食べたいときにわざわざスーパーへ買いに行ったりする(そんな時間ないときには冷凍うどんを使う)。

店の営業時間が一時間しかないがこの時間内に行列に並べばうどんは食べれるらしい。

でもあくまで製麺所の事務所の余りスペースで食べるだけ、しかも並ぶ列はおもいっきり表の歩道つまり単なる舗装道路に屋根もないところに並ぶので熱中症必至と思われ、暑い時はおすすめしない。

ここのサイドメニューが、製麺所でうどんだけしょうゆかけて食べてたのがお客さんが増えすぎて選択肢をちょっと増やしてみた感じがある。でもあくまでサイドメニューは増やしてみただけで本業は製麺所でありうどんがおいしければそれで目的は達成されたのではないでしょうか、食べに行ってる人は。

 

2.山越

山越うどん (やまごえうどん) - 滝宮/うどん | 食べログ

ここも25年前ごろは坂出の山下みたいな風情のところだったが観光客が増えて新しく客席(外に)を増設して昔より綺麗な店になってしまった。行列がすごくて最近行ってないのでうどんの味がどうなったかもよくわからない。昔はおいしかった。

ので形態は大衆セルフ店に近くなったかもしれない。

釜玉うどん発祥の店らしい。もともとは常連客が卵をもちこみ、ゆでたての麺に割って混ぜて食べてたのが広まったらしい。ここも向かい側の交番のおまわりさんが昼食に食べに来てた気がする。今はどうか知らない。

昔行ってたころのうどんのおいしさを表現するとすれば。おか泉が上品なコシとすれば、ここのはしなやかで弾力があってグミというよりも実態のある芯が通った麺みたいなかんじ?

自分は行きつけの店に行列ができはじめるとアレルギー出て通わなくなるが、それはこういう店に行列ができはじめて店構えが変わってしまったりするのが原因かもしれない。

 

3.山内

山内うどん店 - 黒川/うどん | 食べログ

この店は道から見えない。どういうことかは行って見ればわかる。営業する気あるんか?と思う。

手打ち、かつ機械切りじゃなく手切り麺特有の縮れた感じが特徴。

メニューの注文の仕方が独特。調べてから行ってみてください。

ダシはイリコが効いている。

 

なかむら(すいません地図にナンバー書くの忘れてました)

なかむら - 丸亀市その他/うどん | 食べログ

昔はネギがなくなると、裏の畑からお客さんがネギを取ってきてハサミで切って入れていた。

今は観光客が増えてそんなフレンドリーな光景はなくなったらしい。

独特の弾力ある麺でコシがあるのとはちょい違ういわばいくらでも食べられるうどん。

釜揚げだとさらに弾力増しでホヤホヤ。ただし釜に麺がないと釜揚げには出会えないだろう(1回ゆでるのに15分程度かかるため)

駐車場は少しある。路駐してはいけない。

 

4.宮川 

宮川製麺所 (みやかわせいめんしょ) - 善通寺/うどん | 食べログ

ここは観光客も少なく待ち時間少なめ!客層が仕事中の営業さんや運転手さん、近くの病院の職員などが多く常連さんと思われ、みんな注文に慣れてるがゆえに回りが早いことが要因と思われる。

おそらく創業50年は超えてるであろう老舗。嚙んでも噛みきれないコシでもなく、またグミみたいな特徴的なコシでもないけど、懐かしい味。

ウチは真夏以外は表のベンチでよしず?の影で食べるのが好き。

店の入り口にうどん粉の袋とかイリコの袋を積んでいる。注文の仕方が独自なのでわからなかったら店員のひとに聞くと良い。

丼に注文した数の玉のうどんをもらい、自分で網カゴでゆがく。茹ですぎると単なる柔らかいうどんになってしまうので要注意。

次に、これもまた自分で、かけダシの鍋からヒシャクでダシをかける。または、麦茶ポットみたいなのからぶっかけダシをかける。よってメニューはかけか、ぶっかけのみ。

ダシの鍋の底にイリコが沈んでいるのでほしい人はヒシャクでイリコを掬ってのせる。

オプションにきつね用の味付け油揚げ、各種天ぷら、コロッケ、エビ天(すり身の長方形のくずし)がある。生卵もあった。

製麺所なので値段は安めに設定されている。

飲み水用のコップが昭和のプラコップ。

柱の幅しかない机がある。どうみても向かい合って座れなさそう。

ちなみに、ビニール袋に入れてかけダシを売ってくれる。

製麺所でダシをこのように売ってくれるところは昔はたくさんあったが今はここくらい?

 

5.オハラうどん

オハラうどん - 善通寺/うどん | 食べログ

ここは変形セルフ店で、製麺所とは形態は違うが、あまりにも家族経営で大人数で来店されると店が回らなそうなので、最後にこっそり書いておく。

店内は大相撲ファンの聖地みたいな感じで大相撲関連で壁と天井は埋め尽くされている。店を入ると、国技館の天井に下がってそうな紫色で紋が入った四角い幕が吊られていた。

注文システムが独特なので、わからなければ聞いてみるといい。

温かいうどんはそれぞれに温められた陶器の丼で提供される。というか器がひとつひとつ違う。こういうことが、お客さんが増えるとできなくなりそうなので、いまのままの店でいてほしい。

ショウガは自分が使うぶんだけ金属のおろし金でおろす。

できあがったうどんはどれも心がこもっていてお客さんひとりひとりのために丁寧につくられている。なんていうか他に例がなくて文章化が難しい。

こういうスタイルは大規模なセルフ店では無理だなあと思う。

製麺所でもない、ここだけの心づくしの味が好き。

こういう個人ごとにカスタマイズされたサービスが提供されるわりに、値段は良心的。

 

 

さて各種のうどん屋を総覧してみましたが気になるお店はあったでしょうか。

結局おいしいかどうかは個人の好みによるところが大きいので、食べに行ってみないとその店がどうか、自分に合うかはわからない。

機会があったらぜひ現地に足を運んでみよう。